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ADVENTURE

夏の北極圏、白夜の平原

ガルブレス湖 キャンプ場 2011年6月

 

ノーススロープの風景

北緯70度といわれても想像がつかない。行ってその場にたたなければ、実際のことは何もわからない。地球という書物を読むには、外へ出なければ何もわからない。

 

6月24日、僕はいま、北極圏の中にいる。フェアバンクスから16時間かけて、やっと目的のキャンプ場に到着した。この辺りのことをノーススロープという。北の斜面とは、ブルックス山脈をこえて、なだらかに北極海へ向けて流れる斜面のこと。僕が今回探索するのはこのノーススロープだ。夏至を過ぎたばかりだが、北緯70度では、夏至の前後2ヶ月は太陽が沈まない。だから日が長いも短いもない。ずっと明るい。時間はあり余るほどあった。

 

 

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南東アラスカ 夏のザトウクジラ

インサイドパッセージ ジュノー 2010.7

 

今回は、はじめての海上での撮影となる。自費で行く撮影行だ。僕としては、これから始まる長い南東アラスカでの撮影の、下準備とも考えていた。日本で、友人の黒須隆と計画を練った。黒須はこのウェブサイトを作り上げた本人で、前から僕の話を聞いてアラスカに興味をもっていた。そして今回の撮影行は、二人で行くことになった。

 

 

僕たちにとってまずは、確実にザトウクジラを見ることができる状況を作ることが大事だった。もちろんツアーに参加して、クジラを観察するということでも、その状況は作れるのだが、クジラを対象に撮影をするとなるとそう簡単には行かない。なにせ、今回はバブルネットフィーディングと言う、南東アラスカの個体群のみが行う魚を捉えるシーンを撮影したかったからだ。

 

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秋の繁殖期をむかえるヘラジカ

チュガッチ州立公園 2010.10

 

僕はテントを小川の対岸にあるオマーリーピークの山頂付近に設営し、ここをベースとして毎朝尾根を下った。10月初旬、まだ雪は降らないとはいえ、亜北極の山の上は寒い。毎晩テントの内側には自分の呼気で霜が張り、風でそれが降って落ちた。指先やつま先が冷えて睡眠を困難にした。撮影場所からベースキャンプまでは2マイル程離れていたし、帰り道は山を登っていくため、たどり着く頃は汗ばんですぐに着替えをする必要があった。

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冬のハクトウワシ

スワード 2010.12

 

20分待っても風が吹かない。右の人差し指は、いちど暖めなおす必要がありそうだ。

 

足下から広がる湖沼には、カワアイサのつがいが魚を探している。右のほうの対岸には一羽のアメリカヤマセミが、木の間を行ったり来たりしている。このヤマセミは、もう2回うまく魚をつかまえた。アラスカには冬も南下せずに暮らす留鳥もたくさんいる。カメラが向く方向には、トウヒの木にとまる一羽のハクトウワシがいる。20メートルの高さから、まだ凍らない池のなかをのぞき込んでいる。

 

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デナリ国立公園 クマの存在

イーストフォークリバー   2009年 6月

 

ハイカーはこうして熊に襲われていくのだと、本気で考えた。僕はいま川岸にいて、川を挟んで対岸15メートルにヒグマの親子がいる。柵はない。熊の右前足が次の石の上に乗り、石と石が重たくこすれる音が聞こえる。

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フィヨルド、海のいきものたち

キーナイフィヨルド国立公園 2009.6

 

キーナイ半島は、アラスカの地図の南へ突き出ている。太古の昔より、氷河によって削られてできた、フィヨルドの地形。フィヨルドとは、日本の三陸海岸と同じような、数多くの深い入り江からできた、上空から見ればギザギザした海岸だ。異なるのは、三陸海岸のように山が沈んでできたのではなく、氷河が削ってできた地形をフィヨルドと言う。

今回の撮影行は、クルーズ船に乗っていく5時間のツアー。自分の思うように動物にアプローチできない、このようなツアーには進んで参加はしないのだが、知り合いの計らいにより、無料だったので便乗した。とにかく、今まで見たことのない動物たちを見ることができれば、というなかば旅行気分で臨んだ。
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ハクトウワシの集まる場所

キーナイ半島、ホーマーの町 2008.12

 

2008年12月。日本からアラスカへ移り住み、はじめての本格的な撮影になる。いままでの写真の勉強は、果たして実地で役に立つのだろうか、という不安があった。アラスカの写真家の間では誰もが知っている、ホーマーという町のハクトウワシの撮影。そこにはイーグルレディという愛称で呼ばれる、おばあさんが住んでいるという。

 

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